沖縄の桜坂劇場で唯一公開された、しかも誕生日に見ることができて本当に嬉しい。
台風が来てるけど、劇場に入ってから土砂降りになったから、早めに来てよかったと思えた。
まず、このパンフレットを劇場に併設されたカフェで読むのに2時間かかった。2時間をかけたのでなく、かかった。
過去作や自分の過去を思い起こしながら読むと、とにかく時間がかかる。あとパンフレットを最後まで読んだのは初めてかも…
さて、肝心の内容は…
精神分析は言葉を使って心の傷を癒やすことだ。
精神分析医は患者が症状の原因を発見しさえすれば患者はそれを排除できると考えている。例えば自分がエディプス・コンプレックスだった場合、それを認識させ言語化することはできる。しかし他に得るものはない。変わらず母親を愛し続けるだろう。
ホドロフスキーは話すだけでなく、行動を起こすことで無意識に訴えかけ、症状の原因とわかった記憶の変化を引き出す。サイコマジックとは行動、それも芸術的な行動をもって心の傷を癒やすこと。
サイコマジックには30年近く取り組んでおり(最初のケースは30年前の映像を使用)、全11のケースを。近年の映画でも用いられた場面を時折挟んで進めていく。
よくこんな話を映画にしたなぁ、という感じ。
理解できなくていい、感じろ。今回もそう言われている気がした。
リアリティのダンス、エンドレス・ポエトリーでは自分に対してサイコマジックを実践していた。おそらく自伝三部作の完結作、エッセンシャル・ジャーニーでも行われているだろう。
それを見届けるまでは、生きよう。そう改めて思えるものであったことは間違いない。
それまでは、過去作を何度も見て、思い返しながら。
そうそう、台風の雨音が叩きつける音が上映中ずっと聞こえてたのさえもいい演出になったよ。