prairiestreetの日記

人間到る処青山あり

グリーンブック

今年度アカデミー賞で作品賞、助演男優賞脚本賞を取った映画。

 

イタリア系の白人トニーが付き人となって、黒人ジャズピアニスト、ドクのアメリカ南部のツアーにニューヨークからのドライバーとして帯同する、実話を元にした話。

 

ニューヨーク含めた北部であれば黒人がいるのは珍しくもなく、ギャラも多い。にもかかわらず自らの意思で、わざわざ差別が色濃く残る南部へ行くのはなぜか。

案の定、ホテルは白人と分けられ、演奏会場のピアノは粗悪なものを用意、バーに行けば袋叩き、ホストに呼ばれた会場でもトイレを使おうとしたら屋内ではなく、外の木で作られたものを使うよう言われ…

 

ある雨の日、運転中にパトカーに止められたところでドクに対する警察官の態度に腹を立てたトニーは思い切りぶん殴り収監されてしまう。

ここで、いい大人なのに衝動を抑えられないトニーをドクが叱責する。自身は数々の侮辱、差別、非人間扱いに耐え抜いているだけに。

まさかの釈放後、トニーとドクは言い争いに発展するが、

「自分は白人でも黒人でもない、自分の演奏は上流階級の人々の間で「教養」の一つとして流行っているだけで、自分そのものが評価されているわけではない」と言う。

 

そして最後の地アラバマで、トニーとドクが取る行動は…

 

最後ニューヨークに大雪の中帰るとき、再びパトカーに止められる。テンガロンハットをかぶるといういかにも白人至上主義の代名詞みたいな警察官は、しかしタイヤの後輪がパンクしていることを教えてくれて、かつタイヤ交換するまで交通整理までしてくれる…この描かれ方には涙が出そうになった。メリークリスマスと言って分かれるところまで、ほんとによかった。

 

前に見たボヘミアン・ラプソディでは「生きろ」ということ。

今回のグリーンブックでは「耐えろ」ということ。

この2つを学ばされた。

 

映画って、本当にいいものですね、というセリフが多少はわかった気がした。

 

 

グリーンブック~オリジナル・サウンドトラック

グリーンブック~オリジナル・サウンドトラック