prairiestreetの日記

人間到る処青山あり

学問としてのサッカー

アジアカップ、日本負けてしまいましたね。
負けたことよりも負け方が残念すぎてもう…日本の、日本社会の悪いところが凝縮されたような結果でした。

 

それでもサッカーは続く。例えば敗退した翌日の夜には南野と渡辺がリーグ戦出場したのをはじめ、アーセナルリバプール、レアルソシエダなど日本の敗退をポジティブに捉えてくれるチームがある。

 

さて、代表だけがサッカーではない事を伝えるための今日のブログ。

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最終的には辞書的な扱いをすることになるだろうから紙の本のほうが良いのかもしれないけど、(ようやくまともに使えるようになったMacの)Kindleでも読み進めやすいですよ。

 

どんな分野でも学問として成立させるには用語から曖昧さを排除し、正確に定義することが必要です。(本分104ページより)

 

「攻撃において良いプレー」とは何か?
「あの選手はスキルがある」のスキルとは何か?

こういった誰もが言うことを具体的な言葉として突き詰めてサッカーにおける攻撃、守備を論理的に説明をしていく。


もちろん、最初はサッカーの本なのに知らない、この本オリジナルの用語もありとまどう。コンプって何?とか。

 

この本に書かれていることを指導者が子供に教え込むことができるとしたら、岡田武史の岡田メソッドとはまた別の柱として日本サッカーを真の意味で土台から作り上げることができるのではないだろうかと期待するほどである(流派は複数あれば高め合う相乗効果が期待できる)。

戦術の本でありながら経験者ならではの楽しみ方もできる。例えば私が中学高校時代には攻撃は幅広く、守備は狭くとやってきたがこの本ではそうではなくなっていることも書かれていた。経験者とはいえそれは現役時代の話であり、現代のサッカーに動きや戦術をアップデートできているだろうか?私はNOだった。単純に体系的に現代の戦術を考える事ができる面でも楽しめる。

 

そして読後は確認だ。プレイヤー、指導者としてチームに落とし込むも良し、観戦時にボールの扱い以外の部分、3人目の連動やラインの駆け引きなどに注意してみるも良し。
個人的な話で恐縮だけど、DAZNを数年ぶりに契約した。Jリーグや海外サッカーをこの本で得たことを踏まえた上で見たかったから。プレミアリーグ(とブンデスリーガ)がなくなっていたけど、カップ戦はまだそれぞれあったから選手個人よりチームを見る意味では悪くない。

 

正直サッカーはJリーグしか興味なかった。実際に見に行くことができるFC琉球の試合がいちばん大切だと今でも思っている。だけど、他のチーム、地域、リーグ、国の違いを感じながら見ることができるとすれば自分の視野が広がるのではないかと思い始めた。最近で言うと、今年の選手権は知らないチーム同士でもサッカー観戦そのものが楽しめた。

 

例えば親子で観戦する時、ひとつひとつのプレーを子供が疑問に思ったことを親が論理的に教えてあげられる…それだけでも子供の吸収は違うと思う。自分が同じ状況になったらこうしようというのをあらかじめ持っておくのとその場のひらめきで動くのではプレーの質が変わるのは想像に難くない。だいたい精神論なんて再現のしようがない。

 

今サッカーをしている子供はもちろん、その家族、指導者の人たち全てに知ってほしいと思える本だと思う。大げさでなく、この本は2050年までにワールドカップ優勝取れるのではないかと信じたくなるくらいの内容だった。